phoka

04.

2019. 10. 26.

”嘘ついて本当のこと歌うのさ”

これは私が書いたエスペルという歌の詩の一部。
この言葉が出てきた時、自分自身何を言っているんだろうと思っていたけれど、あとからじわじわとわかってきた気がする。
そういうことは、生きているとたくさん起こる。当たり前だと思って受けていた施しは何年も経ってそれは当たり前じゃなかったんだと気がついたり、失敗や挫折をしたことで過去に受けた忠告に「そういうことだったのかあ」とやっと理解ができたり。
昔父親があるアイドルグループを見て「全員同じにしか見えない」と言ったことに対して「信じられない」と思っていたのに、今やすっかり同じ現象が私にも起きていたりもする。

30代に入ってから、こういう風に感じることがすごく増えた。
ついこのあいだまで20代だったくせになんとも偉そうだけれど、20代の自分を俯瞰して見られるようにもなった。しかも、それは、まるで他の誰かを見ているかのように。
それはどういうことかというと、悩みもがき苦しんでだりしていた20代の自分に「そうだね、がんばったね」と声をかけれるようになったのだ。
あんなにもいやでいやで仕方がなかった過去の自分が、理解できたうえに優しくなれるなんて。まあ、思い出して恥ずかしくなることも反省することも山のようにあるのだけど。年を重ねるっておもしろいなあ。と、生まれて初めてそう思えた。

できるなら優しい人で在りたい。すべての人には難しいけど、せめて近くにいてくれる人たちにはそうでありたい。そのために、もっといろんな経験をしたり、いろんな気持ちになったりしてみたい。つらいことや悲しいことも、いつか誰かの心に寄り添えるようになれるためなのなら、経験しがいがある。そしてその誰かと一緒に微笑んで暮らせたら、幸せだろうなあ。 と、言いながら面倒くさいことがこれ以上自分に起きませんように、とも願ってもいる私は、所詮そんなもんだ。

だけれど今起きていることはみんな、いつかくる今日への贈り物だと思うから、大切にしたい。

そういえばこのあいだみんなでご飯会をやった時、ひとりのともだちが家族に太鼓の練習に行くと言ってご飯会にやって来た、と打ち明けた。そのとき彼女が 「なんだか今日は嘘をつきたい気分だったの」 と言ったことが、あんまりにも素敵で忘れられない。