phoka

05.

2019. 12. 13.

あんまりにも空が冬を忘れさせて気持ちが良いものだから、私はみかんの山のどんつきから麓まで駆け下りた。
下り道だから、足袋をはいた私の足は、ころころと勝手にまわった。
鼻先が切り裂いた風は、頰を伝い耳にざわめき、片側に結んだ三つ編みは、馬のしっぽのように跳ねた。
後から軽トラックでくる友人に追いつかれないように、もっとはやく、もっと、もっと!
ぐねぐねのみかん道をどんどん駆け下りて、あっというまに山の入り口についた。
勝負あり!私の勝ち!
ひざに両手をついてはあはあと息を乱しながら見上げたみかん山は、青空にとても可愛らしかった。
しばらくしてやっと追いついたと思った友人は、私がまさか走って降りてったとは知らず、いないいないと探してくれていたらしい。
ごめんね、と言いながら助手席に乗り込んで、お昼ご飯を食べに一緒に家に戻った。
今日はそれがとても楽しかった。